美術品・作家の話一覧

不可視のものをかたちに

こんにちは。

銀杏の木が鮮やかに輝く季節ですね。皆さまはいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、只今TAKIYA ART MUSEUMでは

『特別展示 書のある空間ー篠田桃紅を中心にー』を開催しております。

 

「篠田桃紅先生の作品を見にきました」と遠方から

お車で来て下さる方もいらっしゃり、作品やそのお人柄に、

人の心をつかんではなさない魅力があることを改めて感じます。

作品をご覧になりながら「どんなことを考えてかかれたのかしらね?」

というお声を頂く事も多く、答えになりそうな(?)言葉を

図録に見つけましたので少しご紹介いたします。

(「朱」は…(中略)…)

咲く花、燃える火、のような、目に見得るものより、

心の焦がれ、思いの灯、という不可視のものを、

かたちにしたいという私の叶えがたい願いも、心得ていてくれます。

 

「墨」も「朱」も、写実で表現し得ないものの表現を願って、

私がえらんだてだてです。

 (2003年3月 原美術館主催「篠田桃紅 朱よ」より)

 

「心の焦がれ、思いの灯」という詩的な言葉と作品がしっくりくる感じがします。

展示は12月19日(日)までとなっております。是非ご鑑賞にいらしてください。

※恐れ入りますが、12月10日(金)は休館とさせていただきます。

ご迷惑をおかけして申し訳ございませんが、ご了承ください。

 

 

 

 

 

ヤフオク・ECサイトでの美術品販売も行っております。

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本格的な寒さへ向かう季節です、お体に気を付けてお過ごしください。

最後までお読み頂き誠にありがとうございました。  (S)


雛祭り

ようやく春めいてきて、もうすぐ桃の節句ですねコスモス

雛祭りの起源は諸説ありますが、『源氏物語』などの古典では、
子供たちの遊びに用いられた人形を「ひいな」と呼び、
これとは別に、人間の身代わりに悪霊を仮託させる形代(かたしろ)を作り、
これを川や海に流し去ったり、子供の成長を願って人形を飾る風習がありました。
この風習がいつのころから三月におこなわれる雛祭りになったといわれています。

TAKIYA ART MUSEUMでも、様々なお人形を飾っておりますが、
中でも目を引くのが真田家伝来の享保雛です。

『日本人形大類聚』 (昭和17年発行)では、同手の雛人形についてこう解説されています。

この享保雛はこの種のものとして代表的価値をもっている。
すなわち享保雛は寛永雛が順次複雑化されその色彩感においても
前時代のものに比し極めて濃厚に多色的となっている。
その形体を見るに構成に於て考証を度外視してもよくその特徴を
見せている點雛人形史上に於ても輝かしき存在である。
形態また大小多様に作法入念にして人形文化の粋を表現せるものである。

それは愛皃の息災を祈る両親の慈悲心の立証であり人形を通じて
その無事成長と幸福を祈る大きな美風でもある。

にこやかな表情でおしゃれな衣装に身を包んでいます。
十二単もきれいに12枚重なって、デザインを観察してみるのも楽しいです。
3月末まで飾っております。是非この機会にお越しください。

 

ヤフオク・ECサイトでの美術品販売も行っております。

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冬の寒さがぶり返しておりますので、くれぐれもご自愛くださいませ。
最後までお読み頂きまして誠にありがとうございました。(S)


お盆明けのご挨拶

こんにちは。

暦の上では立秋を過ぎましたが、猛暑厳しく、涼しい秋が待ち遠しいです。

皆様いかがお過ごしでしょうか。

瀧屋美術では1週間のお盆休みを頂戴し、

フレッシュな気持ちで新しい半期を迎えさせて頂いております。

2020年下半期もまた、よろしくお願い申し上げます。

写真by(A)

ご先祖様が帰ってくるとされている お盆。お墓参りにはいかれましたでしょうか?

お墓にまつわる 巨匠 富本憲吉 のお話を紹介します。

 

如何なる世が現われ様とも 私は只一人の創意ある芸に一命を捧げて来た

如何なる世が現われ出様とも 死後墓は不要であると

私の考えは作が全生命であり 作品が私の墓であると考えるからである

富本憲吉「製陶余録」より

富本憲吉の「墓不要。作品を墓と思われたし。」という信念は、

晩年の口癖でもあったそうで、その作品は、

精魂傾けられたであろう迫真の出来となっています。

 

【特別展示】近代工芸コレクション は8月30日(日)まで開催予定です。

富本憲吉作品も展示しております。是非この機会にご来館ください。

TAKIYA ART MUSEUM 詳細はこちらから

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熱中症にもコロナにも、くれぐれも気をつけてお過ごしください。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございました。  (S)

ヤフオク!・Yahoo!ショッピングに出店しております。

 


美濃のやきもの、志野焼の魅力とは?

こんにちは。

春らしい風が、ウイルスも吹き去ってくれないものかと

願わずに居られません。

皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 

さて、大河ドラマでは「麒麟が来る」が放送中ですね。

舞台となっている美濃は、日本の陶磁史上最も華やいだ時期

とされる安土桃山時代に「美濃桃山陶」として

志野焼などが生産された焼き物の聖地でもあります。

今では日常使いもされる志野焼、その魅力とは・・・??

 

志野焼の復興に成功した人間国宝の荒川豊蔵先生曰く

志野焼は「最も日本的な味わい深い焼き物」であり、

 

日本で初めて完全な白い釉を生み出した画期的な焼き物

  (朝鮮や中国の白ではなく、柔らかい感じの長石の釉が

  厚くたっぷりとかかって温かみがある)

日本で初めて筆で模様を描いた焼き物

 

もっと他にもたくさんの魅力が挙げられておりますが、

この二つは大きな特長といえそうです。

 

たくさんの「日本で初めて」が詰まった志野茶碗

戦乱の世を生き抜いた人にとって

緋色をまとったそのはどんな意味を持ったのでしょう?

癒し系でありながら、実は強い。明智十兵衛っぽい感じでしょうか?

想像してみると楽しいです。

 

今週のヤフオクは、志野焼関連の商品が多数出品されております。

ぜひお見逃しなきようご覧くださいアップご参加お待ちしておりますビックリマーク

 

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最後までお読み頂きまして

誠にありがとうございました。  (S)

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カキツバタと魯山人

こんにちは。
春風の気持ち良い季節ですが、外出できず辛い日が続きます。
電車通勤でやや体調不良気味の私(スタッフS)も、
大事を取って先日からリモート勤務をさせていただいております。

4日前の鎌倉駅で、カキツバタの花がとても綺麗に生けてありました。
カキツバタといえば、尾形光琳が浮かぶという方が多い
かもしれませんが、瀧屋美術入社もうすぐ2年の私の頭には、
北大路魯山人のアヤメが思い出されました。

不遇な幼少期を送ったという魯山人3歳の春に、
「美と共に生きよう」と決心させた景色として、
上賀茂神社の「真っ赤なツツジの咲き競う光景」があることは
魯山人について調べるとまず出てくるエピソードです。
そこに隣接して野生カキツバタの名勝 大田の沢 があるそうで、
この時魯山人はこの沢にも鮮烈な感動を覚えたそうです。
さまざまな作品にあやめを登場させた原点がここにあったんですね。

京都 上賀茂神社と大田の沢、ぜひ一度訪れてみたいですが、
三密対策で千葉のチューリップ園が花を切ってしまった
という悲しいニュースもありましたし、
今は切り花や駅の生け花、道端のツツジで我慢です。


(こちらは今季休館で人知れず咲いた美術館中庭のツツジ)

 

GW目前に、お楽しみイベントが中止になってしまった方も
多いとは思いますが、こういう時だからこそ、
お花や芸術、美しい日本の文化に興味を絶やさず、
晴れて外出できるようになったときのための

情報収集をする時間に充てるなどして乗り超えたいです。

 

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誠にありがとうございました。  (S)

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